家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

ボッシュ ルーター 1613EVS

日本に比べアメリカのルータービットは、その種類の豊富さ、価格の安さで大変魅力的です。しかし、いまだにインチ寸法基準のため、シャンク径が1/2インチ(12.7mm)と1/4インチ(6.35mm)という大きな問題がでてきます。日本のメーカーとかけ合い、アメリカ仕様のコレットチャックを手に入れる方法もありますが、私の場合、アメリカからルーター本体を購入することにしました。通販カタログをあれこれ比べ、かなり悩んだ末に、インターナショナル・ツール・コーポレーションから、ボッシュ1613EVS(エッジガイド付)ドルのプランジルーターを選びました。
このルーターの特徴は、

  1. ソフトスタート
  2. 回転数が六段階変化 (12,000~22,000 RPM)
  3. マイクロアジャスト機構(ビット切込み深さの微調整つまみ)
  4. クイックチェンジ テンプレートガイド

等があります。(1) (2) はそれなりに便利です、(3) は非常にスムースに細かく調整ができ、使い方によっては大変有効だと思われます。(4) は確かにスライドレバー一つでテンプレート交換ができますが、ビス止め方式等に比べ、若干のガタつきがあり、神経質な人は気になるかもしれません。そのほかに気付いた欠点として、

  1. ルーター本体がプラスチック製で全体的に剛性不足を感じます。特にハンドル廻りが中空樹脂で、中に芯材も入ってない様で、操作の時にフニャフニャ感があります。
  2. (1) とも関係しますが、プランジポストが約15mmφと細く(リョービは20mmφ) ベースに対してビットが少しですがふらつき、完璧に垂直になっていないようです。
  3. 私にとって一番大きな問題点ですが、ベースの開口部が以外と小さく、使いたかった大径の面取りビットが使えないということです。取扱説明書では1 5/8"(約36mmφ)径以下のビットを使えとなっています。一番下の樹脂製サブベースだけでなく、アルミダイキャストのベース自体が小さい開口なのでどうしようもありません。

以上使ってみて、とりあえず気付いた点を書いてみました。問題点はありますが、日本国内の非常に高いルーター価格に比べて、二万円そこそこでこの性能、一応納得しています。ただやはり大型ビットを使いたい方や、ルーターテーブルに取り付けて使うことのほうが多い方は、ポーターケーブル、モデル690あたりが一台目としてはお薦めかもしれません。これならサブベースを外せば、ベース自体はかなり大きな開口部のようですし、プランジタイプでないほうが、全体の剛性が高く軸がブレずに良いと思われます。
尚、ついでですが、ミニトリマーもリョービアメリカのTR-30Uを89ドルで購入しました。エッジガイドもテンプレートガイドも何もついていませんでしたが、思った通り、手持ちの日本製リョービTR-30Aのアクセサリーが全部使えました。

なお、福岡在住の木工家、長嶺氏からも同じ機種のレポートが届いていますので紹介します。マキタの同タイプと比較して、操作、機能性が良いと思われる点は、

  1. 深さ、及びエッジガイドの数値設定。
  2. ハンドル部に付いた、トリガータイプスイッチ。
  3. チャック交換時の固定レバー。
  4. 回転数が六段階に変えられる。

次に欠点、問題点と思われる点としては、

  1. プラスチック製ベースプレートが厚みがなく、平面が出ていないようである。掘り込み切削のとき、ビットがブレる場合がある。
  2. ハンドルの作りが弱い。等々。

私は、日立のプランジルーターM12を使っていますが、重くて使いにくいということはありますが、ボディまわりのガタはないようです。しかし、大径の面取りビットを買ったまでは良かったのですが、ルーターベースの出っ張りが邪魔をし、ビットを取り付けることができず、ジグソーで切り取ったものの、次はルータースタンド(日立製)の開口部が小さかったためにたいへんな苦力を費やし、ヤスリで削って大きくして使っています。 また、スプリングが固すぎるため、取り出して短くカットしました。押し下げ(プランジング)がだいぶ柔らかくなりました。

■ 資料提供:長嶺 / ウッディラボ 森田氏