Soborg Mobelfabrik / アームチェア Model #316
ピーター・ヴィッツ&オーラ・ミュルゴー・ニールセン(Peter Hvidt & Orla Molgaard Nielsen)によってデザインされたアームチェア「Model #316」。
メーカー:Soborg Mobelfabrikk / Denmark。
発表:1955年。
この時代に、すでにウィービングシートの椅子の量産が成立していたことに驚きます。オリジナルは、ペーパーコードではなく、ナチュラルラッシュのようです。
様々な製品の座編み用フレームワークには、一見、何のノウハウも感じませんが、結構、押さえ所があるように思います。
我々は、この時代に遡って、彼らの製品から学び直さなければならないわけです。
サイドストレッチャーが大きく傾斜して取り付けられていますが、この時代の流行です。一時的な流行に終わった感もありますが・・。
バックレストは、かなり際どい構造ですが、見た目とは裏腹に、実用強度は満たしていると思います。
薄い成形合板を上下で繋ぎ合わせています。しかも、トップは2ピース(センターで接合)、合計3ピースです。
アームレストも拘りが見えます。
外側へ落ち込むシェイプは、カンファタブルです。
アームポストは、シートレールを貫通してストレッチャーへ。
この処理は、スラットバックチェアによく用いられ、アーツ&クラフトムーブメントの中心人物、ウィリアムモリスのデザインしたアームチェアにも、この処理を用いているものがありますし、ウェグナーも採用しています。
実現はしていませんが、一度、使ってみたい処理だと思ってきました。
デザインは好みが分かれるかもしれませんが、1955年発表を考慮すると、安易な批判は出来ません。
使ううちに、見慣れるうちに、味が出てくるデザインなのかもしれないと思ったりします。
他にも、エレガントなデザインを行ってきたデザイナーだと思います。
掛け心地に問題はありません。
同じデザインで、アームレスのサイドチェアも存在します。
時間がなかったために、十分な採寸ができませんでした。
ただ、基本的な寸法関係は把握できると思います。
注意事項
採寸は、ペーパーコードのない状態で行っています。
幅と奥行きは、カタログデータです。
参考までに、高さの実測値は790㎜ですが、カタログデータは780㎜です。
Size : W610×D520×H780 SH440 mm