家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

参考資料:カールハンセン社の編み方

今年(2013年)も、ロンドン デザイン フェスティバルとして、様々な会場で、様々なイベントが開催されていました。
今回は、フェスティバルの時期に渡英したため、幾つかの会場を訪れることができました。

その中の、一つのイベントである、「デザイン ジャンクション 2013」では、カールハンセン社が出展していて、同社のブースでは、椅子張りの実演が行われていました。
本場のペーパーコード張りを見ることができたのはラッキーでしたので、その方法をお伝えします。しかし、特別なものではなく、我々が行っている方法と同様でした。

Yチェアの編み・椅子を台にセットした所 Yチェアの編み・椅子を台にセットした所・拡大

特に、実演時間が決められているわけではありません。
興味を持ったような来訪者が、編みかけの椅子をしばらく見ていると、職人が近づいて来て編み始めるのです。
暫く編んで、見学者が満足すると、止めるのです。

サンプルに使用していた椅子は、Yチェアで、簡単に作られた作業台に固定されていました。作業台は、板をウッドスクリューで止めただけのものです。
おそらく、各職人の身長に合わせた高さで作られているのではないかと思いました。

椅子と作業台は、動かないように、しっかりと固定しています。
作業台の上面には鉄板が取り付けられ、椅子のサイドストレチャーに渡した木製部品(フロントシートレールの流用?)と鉄板は、ターンバックルで固定されています。

寡黙な職人が、手際よくサッサと編んでいきます。
極端に強く締め上げるわけではありませんが、かといって、けして弱くもありません。
作業台は回りません、単なる台です。職人が台の周りを回りながら編んでいきます。

カールハンセン社の職人によるYチェアの編み 途中で作業を中断するときには、台の上に置いてある、コの字型の金具をシートレールに差し込んで、ペーパーコードを固定しています。
キツイものではなく、スポッと外れます。
この程度でいいのだ??と、驚きました。
(多分、ペーパーコードは、多少緩むと思います。コの字型の金具は、画像下の玄能の奥に見ることができます)

編む途中、時折、ドライバーで、対角部分のペーパーコードの重なりを修正します。
これだけです。
使用する工具も作業台の上に置かれているものだけです。

ペーパーコードを上手く張るコツは、慣れることだけなのです。