手押鉋盤による矧ぎ口の取り方
テープルの甲板の矧ぎは、気の重い作業の一つです。先がハネず、後が欠けず、手押しがかかるというのはなかなか大変な事です。次の方法によりスピィーディーに矧ぎロを取ることができます。
矧ぐ材は、最初に通常どうり手押しをかけておきます。次に、前テープル(先テーブル)と刃先を一致させます。 前テーブルを気持ち上げた方が良い場合もありますし、若干下げた方が良い場合もあります。機械の違いや定盤の位置(どこを使うか)、材の長さの違いなどによりセッテイングは多少違ってきます。各自、ためしながら調整を行なって下さい。
次に後テーブルを1mm ~1.5mm 程度刃先より下げます。この値も各機械の調整により違います。この調整が終了したら、削り作業に入ります。材はゆっくりと通します。最初は材の後の方を押さえ、材の先端が前テーブルに乗ったら、前の方を押しつけるようにしながら材料を通し終えます。この時、材の後端まで刃物がかからなかった場合は、前テーブルを気持ち下げるか、後テーブルをもう少し下げます。もしくは、材の前部を押しつけすぎないで途中から材の真ん中あたりを押すようにカの配分を調整します。
前テーブルを下げすぎてはいけません。作業を最初からやり直さなければならなくなります。これにより、真ん中が理想的にすいた矧ぎロが取れます。
この方法は、一度に材料の矧ぎ口を取られる量が多いので、最初のセッテイングをきちんとしておく事が重要です。削り取りすぎて所定の寸法に仕上がらない事があるからです。また、手押し鉋のブレードは良く切れる状態にしておく必要があります。
■資料提供:Woodwork Makio 豊福氏