ビームコンパス
椅子の図面を描くのにどうしてもコンパスが必要になったのですが、ここサワナケートではコンパスといえば、小中学生が使うようなものしか売っていません。勿論、製図器セットもありません。
いい機会ですからビームコンパスを自作することにしました。
仮にいろいろなアイデアがあっても部品の調達が困難ですからシンプルにするしかありません。簡単に手早く作りました。
早速、前回紹介した「フランス罫引」の固定方法を取り入れました。鉛筆固定ユニットはこの方法で固定します。ピボット側も同様にすると、取り外すことができるため、ビーム(竿)を交換できるので便利だと考えましたが、時間がないのでエアネイラーで固定してしまいました。
竿の穴は簡単に9.5mmの角鑿を利用します。竿は程よい硬さまで自動鉋盤で落とします。クサビの穴は、手鑿で最初から開けていられませんから、この部分も9.5mmの角鑿で下穴を開けます。これは上下から開けます。勾配部分のみ、手鑿で加工しています。
鉛筆にちょうどいい径のドリルビットがなく、小さいモノしかないので、 鉛筆を削らなくてはなりません。長い距離(25mm)を削るのは大変ですから、上から10mm程度、ちょっと大きめのビットで開けてルーズ穴にしました。 ピボット部の針もありませんから釘の先端を研いで使用しました。叩き込めませんし、簡単に交換できるよう、木工用ボンドを使って固定しています。
テーパーがゆるいので、少し締めるだけで鉛筆は十分固定できます。使い勝手は、まあ、上々です。日本にいるときにもこのコンパスの計画はしました。しかし、一旦締めた後、微調整ができる装置を取付けたいなどと考え、とうとう今日までビームコンパスを持たずじまいでした。このようなものでも、持たないよりよほど便利です。