家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

手押鉋盤の調整 2

前回は、前後テーブルの調子を行いました。

実は、この手押鉋盤には、購入当初からもっと深刻な問題点があったのです。 定規(フェンス)を直角に合わせると、材料が直角に削れないのです。
材料を直角にすると、驚くほど定規を傾けなければなりません。こんなにひどいものは、生涯初めてです。

一度、購入元の機械屋さんに調整してもらいました。
その時は、まあまあの所までいったようでしたが、その後も、元の木阿弥で、ひどい状態が続いていました。

定規をかなり傾けないと直角が出ないのは。ストレスです。
騙しだまし使ってきましたが、とうとうやってられなくなり、自分で調整を行いました。

問題は、定規を直角にセットすると、材料は鈍角(90度+α)になります。
これは、カッターブロックが、右上がりになっているという事です。

所が、購入時には、カッターブロック右側に、ビールアルミ缶を切ったものがシムとして挟んでありました。
これでは、更に右が上ってしまいます。
そして、機械屋さんに修理依頼をした結果、同じ場所に、0.1の紙を挟んでいたのです。
更に更に右を上げていたのでした。

右側の全てのシム(アルミ缶+紙)を取り去りましたが、まだ材料は鈍角になります。

手押鉋盤カッターブロックの高さ調整左側に、シムを入れなければなりません。
左側取付けボルトを緩めると、中の方からアルミ缶+紙(1枚)のシムがでてきました。
誰かが行った、以前の調整では、正しい側にシムが挿入されていたことになります。
(ただし、これでは足りない)

結局、アルミ缶×3+α、合計約0.3㎜近く挟んで、ほぼ、定規と材の角度が一致するようになりました。

[注意:カッターブロックの調整の前に]
先ず、後テーブルの擦動部を清掃し、適正にスライド部分のロックボルトを締めておかなければなりません。
後テーブルが、全ての基準になります。
後テーブルには、しじゅう動かしますので、基本的にシムは挟みません。

次に、後テーブルを基準にして、前(先)テーブルの平行度(X・Y方向)、捻れをチェックします。
狂っている場合は、シムを入れて調整し、できるだけ平行になるようにします。
ただし、完全に調整できない場合もあるかもしれません。
この場合は、諦めます。木工は騙しが「ワザ」の身上です。
(多少は問題ないということです。新品でも結構ずれています)

前後定盤のXY方向が、平行になった後(横から見ても、前から見ても平行)、材を削ってみます。
材の直角が出ていない場合、上記のようにカッターブロックを調整します。

古い木工機械は、いろいろ問題がありますので、全てが完全というわけにはいきません。
同時に、機械屋さんもあてにできませんから、文句を言わず、出来る範囲は、自助努力あるのみだと思っています。