家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

塗装法

参考までに塗装法の一例を示しておきます。これはあくまでも参考例です。
材質、塗装のクォリティ、温度などにより、各自でアレンジする必要があります。
今迄書いてきた塗装法が判り難かったため、シンプルに、加筆訂正しました(2015/08/24)。

■塗装の目標

ここでは、家具制作鯛工房の塗装法を紹介します。
最初に、塗装の目標を述べておきます。
材料表面には、出来るだけ塗膜を残さず、木材の持つ暖かさを生かします。
仕上り目標は、光沢仕上げではありません。オイル仕上げの質感の良さは、艶を抑えた、しっとりとした質感にあると思っています。

例えて言えば、ステンレスのスクラッチ仕上げです。
オイルを用い、サンドペーパーによって、木目方向に研磨するウェットサンディングによって、微妙なスクラッチが、しっとりとした風合いを与えます。勿論、スクラッチ傷が判る事はありません。

その効果を出すため、あまり細かい番数のサンドペーパーは使いません。
サンドペーパーは、#320番。スチールウールは、#000までです。
それ以上になると、光沢仕上げに近づいてきます。漆工芸品のような光沢仕上げは避けたいのです。

ただし、製品や、お客様の好みによって、光沢度は変えています。
光沢度は、カシュー漆の混合量によって変えます。
サンドペーパーの番数は上記のままです。

■オイルの準備

ここでは、前ページ、「混合(2)(鯛工房お薦めの方法)」のオイルを用意します。
桐油に塗料用シンナーを混ぜて、粘度を下げます。粘度は、ワトコ等、市販のものと同等で良いかと思います。ドロリとした感じではいけません。
目安としては、シンナーをオイルの30〜40%程度混ぜます。
カシューは、「透」(No.53)を用います。オイル100〜200tに対して、ティースプーン1〜2杯加えます。
この辺りは、各自で試しながら最良点を見つけて下さい。

■中国産桐油に関しては、当サイトで販売しています。詳しい内容は、「桐油の販売」ページでご覧下さい。

■素地調整

オイルフィニッシュにとって最も大切なことは素地の仕上げです。他の塗装と異なって素地の欠陥はそのまま表面に出て来るので、素地調整には注意を払わなくてはなりません。
サンドペーパーを用いた素地調整は、理想的には中間の番数をあまり飛ばさずに、なるべく順番にかけていくほうが結果的に早く、綺麗に仕上がります。
最終仕上りをどのレベルに持っていくかで変ってきますが、通常、我々が行っている素地調整におけるサンドペーパーの使用番数(#)と作業順序は以下の通りです。

  1. 組み立て終了後、製品全体を水拭き。
    (この工程は、細かいキズを取るのはもとより、サンドペーパーのスクラッチ傷も浮せて取るためで、その作業効果は、仕上後一年内外で、出てくるようです。つまり、水拭きをしない場合、後になって湿気でサンドペーパーのスクラッチ跡が浮き、表面がざらついてきます。また、深い凹みには、その部分に多めに水を付け、熱したアイロンを当てて浮かせます)
  2. #100
  3. #150
  4. #240

■オービタルサンダーを用いた場合

テーブルトップの仕上げに、電動のオービタルサンダーを用いた場合には、回転運動のため、必然的に横ずりが行なわれます。丸いスクラッチマークが残っているのは非常に見苦しいものです。
オービタルサンダーのスクラッチ跡を残さないためには、

  1. 電動サンダーで、#100。
  2. 手作業で、#100を用い、繊維方向に平行に研摩(入念に)。
  3. 電動サンダーで、#150。
  4. 手作業で、#150を用い、繊維方向に平行に研摩。
  5. サンダー#240研磨(省略可)の後も、同じように手作業で繊維方向への研摩を行ないます。この手順により、サンダーのスクラッチ傷を消すことができます。

■塗装工程

■オイルの塗布〜ウェットサンディング

水拭き〜サンディングが終了したらオイルを塗布します。
ここでの作業はウェットサンディング(油研ぎ)が基本です。研ぎカスが出るまでサンディングします(画像参照)。
サンドペーパーによるウェットサンディング この作業の特徴は、研ぎ出た木粉を導管の中に詰め、混合オイルの乾燥によって固めることにあります。これによって、独特のしっとり感が出てくるのです。そのため、研ぎ込みの後はかなり乾燥させ、次のステップ進んだ方が良いでしょう。
このためにも、ガラス板の上にオイルを滴下し、乾燥度をチェックします。乾燥(固化)が甘いと次ぎの研ぎ込みの時に導管の中に詰った研ぎカスが剥がれ出てしまい、なかなか良好な仕上り感が出てきません。
スチールウールを用いての研磨の場合、研ぎカスが剥がれやすいので注意します。

■塗装工程

参考までに塗装工程の一例を示します。「省略可」の工程を飛ばしても、サンディングをきちんと行なっていれば、結構きれいに仕上がります。

工程 適用 備考
オイル塗布・研込み 1サンドペーパー#240研磨後拭取・以降全て
オイル塗布・研込み 2サンドペーパー#240前工程乾燥後。省略可。
オイル塗布・研込み 3サンドペーパー#320前工程乾燥後。仕上り程度によっては繰返す
オイル塗布・仕上げスチールウール#000前工程乾燥後。仕上り程度によっては繰返す

スチールウールによるウェットサンディング どの工程も、仕上り程度が良くなければ、再度行えばいいわけです。
仕上り程度が良くない・・・と言い方は漠然としていますが、カサカサ感が強ければ、もう一度繰返した方が良いという事です。
仕上げまでいっても、しっとり感が得られてなければ、どこかの段階から再度行えばいいと思います。この辺りは、アバウトです。

拭取り 以下、注意事項です。
繰返しますが、より綺麗にしようと、細かい番数のサンドペーパーを用いると、光沢が出すぎて落ち着きがなくなります。
スチールウールも当木にあてて使用します(画像参照)。

カシューの接着力は驚くものがあります。カシューを混ぜたオイルで、甲板(天板)とフレームや本体が、接着されてしまうのです。フレームの甲板との接触面には、充分にワックスを塗り、接着されないようにして下さい。故障の原因となります。

■参考:ペーパー当てについて

通常のサンドペーパー( 9×11インチサイズ)を四分の一にカットしたシートにぴったり合うサイズの木製のブロック(25×45×115mm)を用意し、切ったサンドペーパーをこのブロックにぴったり巻きつけて使用します(画像参照)。
表面(広い二面)に厚さ5mm 程度のゴムを張り付けたブロックも用意しておきます。さらに、非常に柔らかいゴムを張り付けたブロックも用意しておくと良いでしょう。
ケースバイケースで使い分けるわけですが、柔らかいものは面取り部分の当て木として使用します。角へのなじみがいいからです。

■参考:オービタルサンダーのペーパー当てについて

電動サンダーのペーパーを取り付ける振動面のパットは柔らかすぎ、そのまま使いますと、サンディングする木材の面(特に端のほう)がダレます。
解決法として、厚さ 4mm のシナベニアを両面テープでサンダーのソールに張り付け、その上にサンドペーパーを取り付けて作業をするようにします。これで面のダレはほとんど無くなります。

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