ボッジングレース参加
ファレオロ国際空港から、ナンディ国際空港へ向かう直前の、ATR72-600(画像下)。
向かうのは英国。
ボッジングプロジェクトのメンバーによる、ボッジングレースへのオファーを受け、参加するためです。
ボッジングプロジェクトとは、英国が発祥のウィンザーチェアを、電動工具を使わずに昔の方法で作り、もう一度、原点から見直してみようというもので、参加者は、主に家具デザイナー達です。
プロジェクトのメンバーは、ボジャー(Bodger)と呼ばれています。
ボジャーとは、昔のウィンザーチェア職人の中では、「旋盤加工をする者」という意味です。
ボッジングレースとは、ボジャーによる、椅子作りのレース(競走→競争、競演という感じ)です。
1810年創業の老舗インテリアショップ、「Heal's」で、そのイベントを行うのです。
参加者は合計6名。ほとんどが家具デザイナーで、クラフトマンや、大学でのレクチャラーを兼任しているメンバーもいます。
期間は5日。
脚や、座面、曲げパーツなどは、協賛家具メーカーから提供されるということですが、使えるとは限りません。そのため、参加者は最低限のパーツを各自用意します。
私は、オリジナル「R」の曲げパーツ等は、事前に図面を送り、作っておいてもらいました。
提供される部品が、どれだけ使えるか等、まったく分かりませんし、工具も無く、手ぶらで行きますので、どうなるか見当もつきません。
大丈夫問題ないという、責任者クリスの言葉を信じて出かけたのです。
余談:
ATR 72は、フランスとイタリアの航空機メーカーが合弁事業で興したターボプロップ双発旅客機です。
1988年に初飛行。現在も開発が続けられています。
ATR 72-600は、2007年10月に発表され、2010年から導入されました。
ターボプロップエンジンは、空気取入口(エアインテイク)・圧縮機・燃焼室・タービン・排気口で構成されています。
空気取入口から取り入れられ、圧縮機を通過した空気は、燃焼室に燃料を噴射させて燃焼し、発生した高温高圧のガスが、タービンを高速で回転させます。
タービン軸からの出力は圧縮機を駆動し、さらに減速機を介してプロペラへと伝えられ、推進力へ変換されます。
ターボプロップエンジンと組み合わせて使用されるプロペラは、大きな出力を受け止めるため、ブレード数は、通常4枚以上あります。後退角がついていることも多く、より高回転に適した形状となっています。
後退角がついた、6翅ブレードを間近に見るのは初めてです。
因みに、プロペラは両方共同じ向きに回転していたようですから、回転トルクの打消しはどうしているのだろうと思いました。