一脚目完成
ウィンザーチェアを作るのに必要な、基本工具は有る筈。
無いと困る工具は、事前にリクエストしておきました。
問題は無い筈でした。
座面は無事届きました。
所が、座面を削るためのインシェイブや、トラビッシャーという伝統道具がないのです。誰も持って来ていない。
時間がないために削らないのか。誰も、座面を削らないのです。
ウィンザーチェアを作るイベントで、それを作るための専用工具が無い。
「無い筈」は無いという、勝手な見込みは外れたのです。
近所のハードウェアショップにも売っていません。
インシェイブや、トラビッシャーというウィンザーチェア用の伝統道具は、この国でも、今では特殊な工具だったのです。
参加者の一人であり、まとめ役のウィリアムが、インシェイブを離れたショップにオーダーしてくれたので、それが届くのを待つ他ありません。
その間、全く予定はしていなかったのですが、思いがけず部品が来たため、俄かに完成する可能性が出てきた、ラウンドシートのサイドチェアに取り掛かりました。
ただし、脚はありません。
当然、旋盤もないので、脚をここで作る事は出来ません。
しかし、このイベントに協力してくれている大学の学生が、大学で作って来てくれるという事で、依頼しました。
図面はないので、スピンドルの配置や、シートへの穴開けは適当です。
結局、様々な理由に依り、脚は出来ませんでした。
所が、参加者の一人が持っていた脚を都合してくれたのです。
ただし、ホゾが合いません。
シートに開いていたホゾ穴に比べ、脚のホゾが細いのです。
学生に瞬間接着剤を買ってきてもらい、脚は楔と瞬間で固定しました。
全ては、自分のコントロール出来ない所で動きますから、この様な場所では、何があっても受け入れることが肝要なのです。
それが、面白いと言えば面白いのですが。
バックスピンドルの直径は、結構バラバラでしたから、穴に合わせて削り直さなければなりませんでしたが、サイドチェア with ラウンドシートは、結構簡単に出来上がったのです。
画像上は、仕上がったサイドチェアー with ラウンドシート。
画像下は、事前に送っておいた3D画像。シートと、バックスピンドル、ストレッチャーが来た。
バックレストは、今回作る予定だった椅子のものの予備を流用。脚は、他の参加者からの頂きもの。