PP mobler / アームチェア PP62
ハンス・J・ウェグナーによってデザインされた、アームチェア PP62。
製造は、THE Chair、Peacock Chair 等でお馴染みの、 PP mobler (PP モブラー)社。
この椅子を圧倒的に特徴づけるのは、背もたれと、それに付けられた笠木部分であろうと思います。
笠木部分は、おそらく、歩留まりを良くするためだと思われますが、無垢材を切り出し、センターで分割・接着されています。
同じ部材を対象に用いているため、年輪の角度が同じになり、収縮方向も同一となります。そのため、故障の発生を抑えることが出来ます。
寸法安定性も、曲げによる一体部品にした場合より高いと思われます。
造形的、加工的にも非常に巧妙な処理が施されていると感じます。
精度の高い加工、収縮を考慮、適切な含水率コントロールのため、古いものでも背もたれ・笠木部分に故障が発生しているものを見ることは殆どありません。
アーム下のフレームは、製造コストを抑えたと思われるようなシンプルな構成です。
逆に言えば、シンプルなフレームに、このアームを取り付けることにより、圧倒的に付加価値を高めることに成功した椅子と言ってもいいかもしれません。
メーカー:PP mobler (PP モブラー)
デザイナー:Hans J. Wegner (ハンス・J・ウェグナー)
発表:1975年