ペーパーコードの椅子張り 3:平面張り・プラン張り(2)
■デーニッシュネイルを用いた平面張り(プラン張り)
デーニッシュネイルを用いた編み方の方法です。
メーカーや、職人によって編み方に多少の違いがあります。どれがいいとは一概にはいえません。若干の違いをすべて紹介することは困難です。ここでは、一例を紹介しますので、馴れてきたら、各自アレンジすればいいかと思います。
平面編みは、多少時間はかかりますが、誰にでも編める方法ですし、見た目も綺麗な上、緩みも少ない編み方です。
■編み方
ロール状に巻かれたペーパーコードの内側から、コードを取り出し、隅のデーニッシュネイルに掛けます。コードは短く切りません。
注1:内側からですと、コードをスムースに、連続して取り出すことができるからです。
注2:コードに掛けず、切って普通の釘で止め、横は横、縦は縦と張っていっても、まったく構いません。
引っ掛けたコードの片方は、横編み用で、他方は縦編みになります。
横編み用はロールから来る方のコードを用います。先端側が縦編み用になります。
縦編み用は、ある程度の量を確保して、横方向に巻いきますが、初めての椅子の場合、どの位必要かは、分かりませんから、経験と感覚で量を確保します(適当で結構です)。
足りなければ、途中でつなげばいいので、大した問題ではありません。
前後のシートレイルに巻いていきます。
ここでは・・
両サイドの通し:4本
捨て巻き:6本
通し:2本
捨て巻き:6本
通し:2本
と巻いて(張って)います。
一番都合のいい位置のネイルに引っ掛けてターンします。
反対側は捨て巻きができませんので、ネイルにコードを引っ掛けてターンします。
捨て巻き部分は、後で巻きます。
縦編みの全体像です。捨て編み部分は、きっちり巻きます。
巻き終わったところ。最後に普通の釘で止めています。
釘で止めないで、デーニッシュネイルに引っ掛け、横編みの下に一緒に巻き込んでしまう方法もあります。
反対側シートレールの捨て巻きをします。
最初は、端の見えない位置に普通の釘でペーパーコードを止め、巻き始めます。
きっちり巻いていきます。
巻き終わったところ。最後も、普通の釘で止めます。
次は横編みです。
最初に、デーニッシュネイルに引っ掛けた、もう一方の、ロールから来ているコードを取り、曲げて2重にして(つまり2本づつ)、縦コードに通していきます。
向こうまで行ったら、ネイルに引っ掛けてターンします。
ロールから引き出しながら張っていきます。そのため、終わるまでペーパーコードを継ぎ足す必要はありません。
横張りを下から見たところ。最後も普通の釘で止めます。
■注意事項
この事例では、捨て編みは、端から編んでいます。オリジナルに従ったものです。
しかし通常は、センターから編んでいます。
幅が変わらないシートレールは問題ありませんが、真ん中が狭く、両端が広いシートレール等は、センターから張った方が、ズレが少なく綺麗に編めます。
また、捨て編み部は、ペーパーコードを途中で繋ぎたくありません。その場合、センターから編むと、コードの量が半分で済みますから早く編めます。
デーニッシュネイルは直線状に打たず、大きなウェーブ状に打つこと。
直線状に打つと、木が割れる場合があるからです。
引っ掛けた後は、デーニッシュネイルを叩いて曲げておきます。もしも、ペーパーコードが緩んでも、外れないための対策です。