水性ビニール・ウレタン接着剤の硬化剤
水性ビニール・ウレタン系接着剤をお使いの方は結構多いと思います。
その強度は木材用接着剤中、最高強度を誇るレゾルシノール系接着剤に次ぐといわれます。硬化剤の主成分であるイソシアネートが、主剤の成分である、ポリビニールアルコール(PVA・ポバールとも呼ばれる)の水酸基(OH基)や木材の組織中の水酸基と結びつくことによって(ウレタン結合)、非常に強い接着性能を発揮するわけです。
水性ビニール・ウレタン接着剤の硬化剤ですが、通常の使い方の他の利用方法といたしまして、水性酢酸ビニール系接着剤(酢ビ/白ボンド)に混ぜるという方法があります。
水性酢酸ビニール系接着剤にも水性ビニール・ウレタン接着剤の主剤の成分である、ポリビニールアルコールは含まれていますので、混ぜることによって、市販の酢酸ビニールエマルジョン系接着剤の耐水性は飛躍的に向上します。ただし、メーカーにより、また、製品により、PVAの混入量やセッティングが違いますので強度も当然違ってきます。しかし、耐水性はまちがいなく向上します。
硬化剤の添加量は水ビと同程度と考えていいと思います。とにかく、酢ビの耐水性、および強度を増したいという場合には良いかもしれません。水ビの強度には及ばないと思いますが、知っていると何かのときに役立つかも知れません。
余談ですが、生漆に混ぜると漆はどのような条件でも硬化しますし(二十四時間以内)不乾性油であるヒマシ油も、内部に水酸基をもっているため硬化します(ただし、イソシアネートの型や溶剤のタイプにもよる)。