家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

木工旋盤 WT-300 のチューンナップ 4

「木工旋盤 WT-300 のチューンナップ 2」の中でスピンドル(主軸)のガタに触れました。ロックナットを締めると無くなるとはいえ、やはりスピンドルのガタは気になります。
この際、スピンドルとベアリングを交換することにしました。同時に、仮に使っている自作木製スペーサー(カラーという呼び方が正式?)も、金属製のものに交換することにしました。

WT-300スピンドル 中国製部品のクォリティの低さはいうまでもありません。WT-300本体部分もそうですし、それに使われているベアリング等の機械要素もそうです。日本製に交換できるものは交換したほうがいいように思います。
今回は、ベアリングとプーリーを固定している6角穴付止ネジを日本製に交換しました。ベアリングは、手で回すとグリグリという感触が出ていましたし、6角穴付止ネジは、6角穴の精度が低く、レンチとのギャップが大きくて舐めてしまいそうだったからです。ベアリングは深溝タイプにしました。

「画像上」は、ベアリングプラーを用いて取外したベアリングとスピンドルです。エンドストッパー(ベアリング押さえ)は6角穴付止ネジ1個で固定されているだけです。ドライブセンターをセンター穴から棒で突いて外す場合など(スピンドルに左から右への力が加わる場合)、この6mmネジ1つでは強度不足で、スピンドルが抜けてくる場合があります。

WT-300プーリー プーリーの両端は正確に「面」が出ていないので、鉄工所で旋盤加工を行ってもらいました(画像上から2枚目)(参考価格:¥1,500)。
特に、この画像に写っている側は、鋳抜いたままで切削なしの状態ですから平滑面はありません(プーリーは軸の途中に止ネジで固定される構造ですので、これはこれで仕方がない)。
この加工で、スペーサー(カラー)とが、正確に接触することになります。

WT-300スペーサー(カラー) 新しいスピンドルとスペーサー(カラー)をセットした状態です。これで、スピンドルのフランジ→ベアリング→スペーサー→プーリー→ロックナットが直列に並ぶわけです。
エンドストッパー(ベアリング押さえ)は使いません。
画像で分かりますが、新しいベアリングを挿入した所、本体から1.5mm近く沈みました。最初の状態はツラ(つまり挿入不足)でした。その状態で採寸したため、ベアリングが沈んでスペーサーの長さがギリギリになってしまいました。

WT-300アッセンブリー状態 アッセンブリー状態です。左端の逆ネジロックナット(フェイスプレートのネジ部分を切断して利用)で締めて完了です。スピンドルのガタはまったくありません。

問題点としては、スピンドルの回りが渋いということです。購入した当初も同様でした。これは、ベアリングのケーシングの加工精度に問題があるのだと思います。ケーシング内部も塗装されていて、取り出したベアリングの外輪には塗料が固着していました(ベアリングの圧入時に、削れた塗膜が噛み込む)。これでは精度が出るはずもありません。また、馴染むまで待ちましょう。
超チープな中国製マシンですからこんなものです(怒りとか、呆れはとっくに捨てています)。でも、結構使えます。これだけ手を入れなければ使えないのか?という方もいらっしゃるかも・・。趣味の領域として楽しんでいる部分もありますから、様々な不具合を許せるのかもしれません。

スペーサー(カラー)は、(株)ミスミの「FA用メカニカル標準部品」というカタログの「寸法フリー指定タイプ」でオーダーしました(参考価格:¥560(加工精度=並級・無塗装))。
大きさの制限はありますが、各部寸法は全指定できます。重宝しています。