挽き曲げ
曲げようとする面の内側に鋸目を入れて曲げる方法です。木製弁当箱の角なども、この方法で「R」に加工されているものがあります。次の式は挽き曲げの、板厚、曲げ「R」 (外側)、鋸目の数の間係です。「4等分された円」の中に何本の引目(鋸目)が入るかを算出します。
■鋸目の数=1.57×材の厚さ÷鋸厚
となります。式上では「R」の大小は関係ありません。例えば、鋸厚 2mm、板厚 20mm、外半径 300mm の「R」を得るには、長さ(1.57×20=30.4mm)の中に、15.7 (約 16)本の鋸目を入れればいいことになります。鋸は材の外側の 1~2mm を残して入れます。計算式ではこの挽き残しの分が考慮されていませんので、算出した本数だけ鋸目を入れても、予定の「R」にならない場合があると思います。微調整のやりかたとしては、鋸目を増やす、鋸目の角をつぶすなどの方法があります(図上)。
この方法の意外な利用法、応用として、挽目面どうしを内側にし、エポキシ樹脂接着剤などで張り合わせ、曲面の板を得るという方法があります(図下)。木口からは鋸目が見えますが、表面からは挽目が見えません。覚えておくと何かのときに利用できそうな方法だと思います。