家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

事前縦圧縮曲げ

新しい曲げの技術です。事前に木材を縦方向に圧縮し、その後、曲げるというものです。つまり、縦圧縮により、繊維の壁面に襞(ひだ)が生じるので曲げやすくなるというものです。ただし、強度的には通常の蒸し曲げより弱いといわれています。縦圧縮の方法ですが、両端をしっかり固定した治具を用意し、スチーム加熱を行った材をぴったりしたサイズのパイプなどのケースに入れ、油圧シリンダー(自動車用油圧ジャッキで可)で長さ方向に20%圧縮し、すぐに15%戻します。あるメーカーで試作していた治具自体はわりと簡単なものでした。

材料の含水率は20~30%程度のものを用います。圧縮した後、フォーマーを用いて曲げ、材料を乾燥させます。このとき、ストラップを使ったほうが、材料はフォーマーへきちんと密着します。圧縮プロセス以外は一般のトーネット法と同様です。圧縮後、材料の含水率をそのままの状態に保っておけば、すぐに曲げなくてもよいという利点があります。