家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

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家具工房 家具制作鯛工房・オープンカップボード FS-ocb-oak
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オープンカップボード

FS-ocb-oak

私が師事した家具職人、故菊池勇は、戦後の東京芝で洋家具を作っていました。
私は彼に、東京の洋家具の作り方を習いました。
それを基本に、構造各部、ディテールを自分なりにアレンジし、標準化していきました。
このオープンカップボードも、その手法に沿って制作したものです。

本体は、基本的に框組構造としています。工程数は増えますが、無垢板作りに比べ、故障が少ないからです。
縦框は、家具作りに於いてはポピュラーではありませんが、「角」としています。これは柱の概念です。つまり建築や建築様式を意識しているからです。また、横と奥行き方向の柄(ほぞ)長さを揃えることができるため、強度が確保され易いのです。

前頁のカップボードに比べ、側帆立の横框を内部に追い込んでいます。
これは、縦框を「角」にすることによって可能となります。
その結果、更にシンプルにすることが出来ています。

東京芝の家具作りは、薄く、狭い材料を使う事が基本です。
これは、木材の収縮の影響を最小限にし、故障を防ぐためです。また、材料の無駄な使用を省き、軽くて、見た目も軽快感のある家具にすることが出来るからです。
框厚は、基本的には、8分(24㎜)です。我々は、素材の関係から、24~25㎜にしています(小物を除く)。
鏡板厚は、基本的に、4分(12㎜)にしています。厚くても5分(15㎜)以下にしなければなりません。厚すぎる鏡板の変形は、框組フレームが吸収できず、故障の原因となりますし、重くもなります。
従って、鏡板は面取りのできる、必要最小厚で良いわけです。そのための、4分厚としています。

扉は、馬乗の切面(1分5厘)です。
本体と、脚台輪の間には、3分(9㎜)の紐面を施しています。これも、芝の洋家具のポピュラーな手法です。
棚受は、伝統的な、縦框の一部を欠取る方法でセットしています。非常に合理的な方法です。
裏板も無垢材ですので、伸縮の影響を避けるために、まん中に縦框を配しています。これが無ければ、収縮した時に、隙間が発生する可能性があるからです。