ラウンダー
ラウンダー(写真上)は、日本国内でお目にかかることはほとんどない英国製の工具です。角材を丸く加工するのに用います。旋盤に角材の一端を固定し、回転させながら、この工具を角材に通して丸棒にしていきます。また、四角い曲げ部品などの端を丸く加工し、丸穴に入れるための加工をする場合もこの工具を用いると簡単に加工できます。用途に応じ様々なサイズがあります。
本体はアルミダイカスト製です。その本体にハンドルとしてスチール製のパイプが接合され、さらに木製のグリップが付いています。何本も加工すると熱で金属部分は持てなくなるほど熱くなります。木製グリップは必需品なのです。ブレード部分は市販品の流用です。赤い押さえ板上部のマイナスネジを少し緩め、中央にあるブラス製の調節ネジで刃の出し入れを行います。仕上がり直径15mm 用で本体長380mm、ブレード幅は54mm です。
写真(上から2、3番目)はウインザーチェアのスピンドルを加工しているところです。仕上がりで15mm(5/8 inch )径の丸棒になります。旋盤を低回転にセット(300~400rpm)し、丸くする材料の片端をスクロールチャックや木製の自作チャック等で固定します。
写真上から3番目は、ウインザーチェアのストレチャーである、クリノリンという部品の制作しています。曲げて使いますが、曲げる前に、丸め加工を行っているいる所です。直径25mm、長さ1540mm です。長いのでそのままでは旋盤に入りませんから、旋盤のライブセンターを外して使用しています。
写真上から4番目は、丸く加工した木製の部品のセンターに四角い穴を開け、それをフェイスプレートに木ネジで固定し、簡易自作チャックとしたものです。角穴は材料を打ち込んできつく固定できるように内部をテーパーにしておきます。写真は仕上がりで15mm と25mm の丸棒のための木製チャックです。15mm 用は17mm 角の穴を開けてありますので、材料は17mm 弱に木取りをして角穴に挿入し、固定します(写真上から4番目)。
片端は固定せずオープンですが、低回転のため問題ありません。
この木製のチャックは金属製スクロールチャックのように固定用の爪が飛び出さないので安全です。また、加工材を取り外す時は、ドライブシャフトが中空ですから、反対側より丸棒で押して加工材を押し出します。写真下は、金属棒をドライブシャフトの中空の穴に挿入しているところです。そのため、このようなタイプの旋盤でなければ都合が悪いのです。
写真上から2番目の旋盤は私が日本で使っている中国製のものです。下はマレーシアでの作業のために購入したものです。マレーシアでは中空シャフトのものが入手できないため、オーストラリアから台湾製のものを輸入しました。デザインはまったく同じで驚きました。